2008年12月19日金曜日

24.日本人の死生観ーその3

昨日は思い出すままに、私が幼かった頃の状況を羅列してみました。たった50年ほどの間に、町は様変わりしてしまいました。何百万年と続いた自然と人間との一体感が、この半世紀の間に喪失してしまったのです。日本人の死生観の根幹をなす自然が、消え去ろうとしています。このことは、日本人に対して、死生観を変更するよう求めているということを意味しているのはないでしょうか。今までパートナーだった自然が、なくなろうとしているのです。自然というパートナーがいない中で、新たに日本人の死生観を構築する必要があると思うのです。自然とともに生き、自然の中で静かに死んでいくという死生観をもてなくなった以上、当然のことです。では、これからの日本人が持つべき死生観とは、どんなものなのでしょうか。
私は、命の質を重視することではないかと思っております。言い換えれば、人生の長さよりも生き方の内容を重視するべきだということです。終末期を迎え、ただ生きているだけという状態に、何の意味があるのでしょうか。医学的な意味はあるでしょうが、人生で80年で死ぬところを81年に延ばしてもらうことに、どんな価値が見出せるのでしょう。高額な医療費(もちろん国民負担の健康保険料)を使って、1年生き延ばさせて何ができるというのでしょうか。(月曜日につづく)

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