2008年12月16日火曜日

21.延命治療の拒否

新聞に医師の話として、こんなことが載っていました。要約します。
「本人が人工呼吸器の装着や心肺蘇生などを望まず、痛みを和らげる点滴や酸素吸入のみを希望した場合、状態が悪化してから1~2週間で安らかな顔のままで亡くなる。静脈栄養の管をつけたり、人工呼吸器をつけたりしていると延命にはなるが、顔がむくんでしまう。また点滴による栄養や水の過剰投与で、痰(たん)が多くなり喉に詰まって苦しむ。体はむくみ、肺は水浸しになる。栄養補給は点滴によらず、口からだけで行うのが望ましい。要するに昔と同じように、自分で食べられなくなったら栄養失調で死ぬのが自然である。緩やかな脱水状態で、枯れるように死ぬのが理想だ」

「旅に病んで 夢は枯野を かけ廻(めぐ)る」      芭蕉
死の前日に芭蕉は、「吾(われ)生死も明暮にせまりぬとおぼゆれば、もとより水宿雲棲の身の、この薬かの薬とて、あさましうあがきはつべきにもあらず」と、延命治療を拒否し静かに死んだそうです。いさぎいいではありませんか。人間としての品性が感じられます。51歳でした。(明日につづく)

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