2009年1月2日金曜日

32.内戦の原因

近年ユーゴスラビア、チェチェン、コンゴ、ソマリアなど、世界中で内戦が起きました。去年は中国のチベットや新疆ウイグル地区などで起こっています(正確に言えば、内戦というよりも暴動といえるかもしれませんが)
それらの原因は、民族問題・宗教・利権などいろいろあるでしょう。しかし、それらは根源的な原因ではありません。それらが原因だとするなら、世界中でもっとたくさんの内戦が起こっているはずです。アメリカなど、内戦だらけの国になります。
私は、その根源的原因が、「不平等な扱い」に尽きると考えています。支配層が被支配層に対して、不平等な扱いをする、それが積もり積もって臨界点に達し爆発するのです。民族感情や宗教の違いは、その触媒の役割をはたしているに過ぎません。
古代ローマ帝国でも五賢帝時代のあと、各地で反乱が起こりました。これをおさめるべく、ローマの支配下にある全ての地域に、平等な市民権が与えられました。しかし思惑とは逆に、ローマに財産や教育が平均以下の大量の市民が押し寄せ、皮肉にも階層化(不平等化)への道を歩みだすこととなりました。そして、内乱状態になっていったのです。それほど不平等という観念は、厄介なものであることを、歴史が証明しております。
日本でも、すでに内戦が始まっています。その原因は、「不平等な扱い」です。いまや不平等は、社会に蔓延しています。教育、福祉、雇用、経済・・・・・・・。格差は広がる一方です。官民格差、雇用格差、地域格差・・・・・・・。優位にある者はますます優位になり、反対に劣勢にある者はますます劣勢になる。その際たるものが、年寄対若者の格差です。なぜなら資本主義の根幹をなす、「お金」が年寄と若者の間で不平等になっているからです。不平等とは、単なる予算配分を指すのではありません。お金の所有分布も含まれます。富が偏在すれば、不満は高まる。特に若者のお金に対する不満は、誰にその責任を追及したらいいのか明瞭でなく、はけ口がありません。
人並みの教育は受けたけれど、いい就職口がない。就職できても、給料は安い。給料が安いから生活に追われ、貯金ができない。結婚もできない。病気が心配だ。病気をすれば失業する。失業すれば、条件の悪いところしか働き口がない。そんな仕事でも、あればましな方だ。今生きていくのが精一杯で、将来のことなど考えられない。こんな人生でいいのだろうか。不満と不安で一杯だ。
これが、いわゆるワーキングプアといわれる若者たちの現状です。この十数年来、独身者が毎年増加しています。また、婚期が遅くなっています。みんな将来の設計図が画けないからです。
若者たちは、超長寿時代の到来に、気付いていたのではないでしょうか。(5日月曜日につづく)

0 件のコメント: