2009年1月6日火曜日

34.年寄対若者という構図(その1)

国民の資産1500兆円のうちの三分の二、1000兆円は65歳以上の年寄が持っています。65歳といえば、ほとんどの人がリタイアしている年齢です。今まで何十年も仕事をしてきたのだから、貯金があるのは当然です。退職金も入っていることでしょう。年金受給資格もある。
しかし現実問題として、残りの人生に旅行か趣味のゴルフくらいしか楽しみのない年寄に、国民の資産は集中しているのです。その最大の原因は、長寿社会の到来です。女子86歳、男子79歳にまで平均寿命が延びたのです。昨日書いた、年金を使いきれずにいる夫婦などもこの範疇に入ります。
今80歳代の年寄が働き盛りだった頃は、平均寿命が70歳くらいでした。つまり、自分たちが働いていた現役時代に親が亡くなり、遺産が入ったのです。遺産が入り、しばらくしてリタイアして退職金が入り、またすぐに年金がもらえたのです。そして80歳を越えた現在、最も豊かに暮らしているのです。30年以上、年金をもらっている年寄ばかりです。
その80歳代の年寄の、息子はどうだろうか。息子は60歳を越えても、親が健在だから遺産はまだ手に入らない。家や車を購入する年齢は、すでに過ぎてしまっている。息子も年寄の仲間入りをしているが、その親である大年寄は生きている。使い道のない金や宝石類をタンスに入れて、先祖から頂いた広い家で暮らしている。
よく、借りてでもお金を増やそうとするアメリカ人、借りるよりも貸しを作ろうとする中国人、ともかく貯めるだけの日本人といわれます。今の年寄は、その日本人の典型です。お金を貯めるだけで、使おうとしません。いや、使えないのです。
その孫はといえば、30歳代です。就職に失敗したので、フリーターをやっている。親はうるさいが、結婚する気も金もない。祖父の財産も、自分が受け継ぐときには、相続税に持っていかれてほとんど期待できない。将来に対して、夢も期待も持てない状態なのです。(明日につづく)

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