2008年11月25日火曜日

6.元厚生次官襲撃

このブログを始めてすぐに、元厚生次官襲撃事件が起こりました。ズバリ、この事件の原因は、私が1~5で指摘した、社会の不平等感から来る不安と不満だと思います。
読売新聞の昨日(11月24日)の社説には、戸惑いの言葉がたくさん出てきます。
①旧厚生省の元事務次官2人が相次いで狙われた事件は、不可解な点があまりにも多い。
②以前飼っていた犬を保健所に殺されていたことに腹が立っていたなどと供述しているが、こんな説明では大胆な犯罪には結びつかない。
③現役でもない二人を何故狙ったのか。
④男は山口県出身で、大学を中退後にコンピューター関連や宅配便の仕事をしていたという。このような経歴からは、元次官との接点や、政治的な思想や背景はうかがえない。
⑤執拗に刃物でさした犯行から、「極めて強い殺意があった」と警察は見ている。そんなゆがんだ感情がどこから生まれたのか。
⑥背後で操った人物がいたのか。
⑦何故出頭する気になったのか。
と、このように戸惑っています。最後には、「このような事件がまた起きるのではないかという社会の不安は、容易には消えないだろう」「ネット上には今回の犯行を擁護する書き込みも見られた」と結んでいます。
大新聞の論説委員が書く社説も、この程度です。今の社会がよく分かっていません。社会の不安は容易には消えないだろうなどと、人事(ひとごと)のように書いていますが、不安を持っているのは犯人の方(ほう)です。不平等感による不安と不満をもっている人たちが、あふれているのです。その中で、この犯人のような極端に屈折した人間が、出てきただけのことなのです。
この犯人の場合、③HOWだけではなく、①WHO,②FORも警察に話しているようです。つまり、①元厚生省次官を、②犬を殺されたから、③ナイフで刺した、ということ。でも①の元厚生省次官や②の犬殺しは、勝手なでっち上げに過ぎないと私は見ています。つまり、犯人自身の将来に対する不安感=夢の喪失や社会の不平等に対する不満が原因であって、①や②は付け足しに過ぎないと思うのです。要するに、秋葉原や土浦市の事件と根は同じです。
社会を揺るがす数々の事件。その根本的な原因の究明が急がれます。だから私は主張します。それらの原因は、高齢化社会にあると。今の日本の社会の中に現れてきた、高齢化という問題を抜きにこの事件は語れないのです。(明日につづく)

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