2009年2月16日月曜日

53.公的年金支給停止制度

取れるものは取る、少しでも権利があれば要求する、というのは従来の日本人になかった思想です。
2007年4月に創設された、「公的年金支給停止制度」をご存知でしょうか。これは、公的年金を申し出れば辞退できるという制度です。創設から1年以上経過した2008年8月現在、辞退を申し出た人は全国でたったの150人だと発表されました。年金(厚生+国民)受給者数5300万人で割ると、0.00000283%です。283000人に1人しか辞退しないのです。一つの県で2~3人しか辞退しないという状況なのです。金は持っているくせに、強欲な年寄が多いのです。
アリストテレスの指摘が、現代日本でも見事に的中しています。老人はけちでエゴイストなのです。よく金はあっても、邪魔にならないといいます。老人はそのフレーズを活用して、言い訳にしています。
しかし、敢えて言わせていただきたい。「金は自分の本分以上に持つと、邪魔になる」と。使うすべもないほど年金をもらっていて、毎月(年金の場合は2ヶ月に1度)貯金が増えていく年寄がたくさんおります。一方で、お金がまわってこなくて困っている若い人たちが、たくさんいるのです。そういうことに思いをいたすことができず、ただ利己的かつ鈍感に生きているだけということでは、浄土や天国にはいけないでしょう。金は自分の本分以上に持つと、邪魔なのです。
必要でないものは取らない、権利があっても人の道に反すると思えば要求しないというのが、本来の日本人です。今、教育に求められているのは、この点ではないでしょうか。「権利があっても主張しない理由」を考えさせる教育です。それを、模範となるべき年寄が、ぶち壊しているのが現状です。(明日につづく)

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