2009年2月13日金曜日

52.謙虚な年寄

昨日の社長以外に10人ほど、戦争生き残りの人たちと話したことがあります。あの社長と違って、皆に共通するのは、自分だけが生き残ってきたという、「後ろめたさ」のような空気を感じたことです。悪い言葉で言えば、男のずるさを感じました。
戦争で苦労をして、生きて帰ってきた方々に対して、悪口を言うつもりは毛頭ありません。ただ純粋な気持ちと勇気を持った人たちのほとんどが、一番乗りをして死んでいったことを忘れてはならないと考えるのです。そして生き残った方々は、戦友の冥福を祈りつつ謙虚に老後を迎えていただきたいと思うのです。余計なお世話だといわれるかもしれませんが、最近やたらと悪くてずるい年寄を見かけるので、ついこの話をしてしまいました。
戦後、権利の主張は当たり前になりましたが、その反対に義務の履行がおろそかになっています。自己責任といってもいいのですが、なんでも国に頼らずに自分で生きていくという考え方が重要です。国民一人一人が国の集めた税金を取り合うのではなく、我慢できるのであれば、謙虚に辞退するという姿勢が大事です。そういう甘いことを言っていると、図々しい奴に全部持っていかれるよといわれるかもしれません。それはそれで、持っていかれない方法を考えればいいわけです。私が言いたいのは、国民一人一人がもっと謙虚になって欲しいということです。先日新聞のコラムで、ある老人の意見が取り上げられていました。
「年寄は年金で若い人たちに負担をかけている。病気でさらに迷惑をかけてはいけない」
こういう心構えのお年寄も、まだおられるのです。(月曜日につづく)

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